連《つ》れて行った。そこでかれはすぐと主人を認識《にんしき》した。それはすなわち現《げん》に囚人席《しゅうじんせき》にいる子どもにほかならなかった。なお一人の共犯者《きょうかんしゃ》に対しては、追跡《ついせき》中であるからほどなく捕縛《ほばく》の手続《てつづ》きをするはずである。
わたしのために言われたことはいたってわずかであった。わたしの友人たちはわたしが現場《げんじょう》がいなかったという証言《しょうげん》をしたけれども、検事《けんじ》は、いや、寺へ行って共犯者《きょうはんしゃ》に出会って、それから「大がしの宿屋《やどや》」へかけて行く時間はじゅうぶんあったと言った。わたしはそれからどうして犬が一時十五分ごろ寺にいたか、その理由を述《の》べろと言われた。わたしは犬はまる一日自分のそばにいなかったのだから、それをなんとも言うことはできないし、わたしはなにも知らないと申し立てた。
わたしの弁護士《べんごし》は、犬がその日のうちに寺に迷《まよ》いこんで、寺男が戸を閉《し》めたとき、中へ閉めこまれたものであるということを証拠《しょうこ》立《だ》てようと努《つと》めた。かれはわたしのため
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