スコルの一家の行く先を知らなければならないので、一人「大がしの宿屋《やどや》」へ行くことにした。その宿屋へわたしが着いたときは、まっくらであった。馬車があるかと思って見回したが、どこにもそれらしいものは見えなかった。二つ三つあわれな荷車のほかに、目にはいったものは大きなおりだけで、そのそばへ寄《よ》ると野獣《やじゅう》のほえ声がした。ドリスコル一家の財産《ざいさん》であるあのごてごてと美しくぬりたてた馬車はなかった。わたしは宿屋《やどや》のドアをたたいた。亭主《ていしゅ》はドアを開けて、ランプの明かりをまともにわたしの顔にさし向けた。かれはわたしを見覚《みおぼ》えていたが、中へ入れてはくれないで、両親はもうルイスへ向けて立ったから、急いであとを追っかけろと言って、もうすこしでもぐずぐずしてはいられないとせきたてた。それでぴしゃりとドアを立てきってしまった。
 わたしはイギリスに来てから、かなりうまくイギリス語を使うことを覚《おぼ》えた。わたしはかれの言ったことが、はっきりわかったが、ぜんたいそのルイスがどこらに当たるのか、まるっきり知らなかった。よしその方角を教わったにしても、わたしは
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