行くことはできなかった。マチアを置《お》いて行くことはできなかった。
わたしは痛《いた》い足をいやいや引きずって競馬場《けいばじょう》に帰りかけた。やっと苦しい一時間ののち、わたしはボブの車の中でマチアとならんでねむっていた。
あくる朝ボブはルイスへ行く道を教えてくれたので、わたしは出発する用意をしていた。わたしはかれが朝飯《あさはん》のお湯をわかすところを見ながら、ふと目を火からはなして外をながめると、カピが一人の巡査《じゅんさ》に引《ひ》っ張《ぱ》られて、こちらへやって来るのであった。どうしたということであろう。
カピがわたしを見つけたしゅんかん、かれはひもをぐいと引っ張った。そして巡査の手からのがれてわたしのほうへとんで来て、うでの中にだきついた。
「これはおまえの犬か」と巡査《じゅんさ》がたずねた。
「そうです」
「ではいっしょに来い。おまえを拘引《こういん》する」
かれはこう言って、わたしのえりをつかんだ。
「この子を拘引するって、どういうわけです」とボブが火のそばからとんで来てさけんだ。
「これはおまえの兄弟か」
「いいえ、友だちです」
「そうか。ゆうべ、おとなと子
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