であろう。
 かれらはしかしわたしに気がつかなかったとしても、マチアは気がついていた。
「いつまできみはこれをしんぼうしていられるのだ」とかれは言った。
 わたしはだまっていた。
「フランスへ帰ろうよ」とかれはまた勧《すす》めた。「なにか起こる。もうすぐになにか起こるとぼくは思う。おそかれ早かれ、ドリスコルさんが、こう品物を安売りするところを見れば、巡査《じゅんさ》がやって来るのはわかっている。そうなればどうする」
「おお、マチア……」
「きみが目をふさいでいれば、ぼくはいよいよ大きく目をあいていなければならない。ぼくたちは二人ともつかまえられる。なにもしなくっても、どうしてその証拠《しょうこ》を見せることができよう。ぼくたちは現《げん》にあの人がこの品物を売って得《え》た金で、三度のものを食べているのではないか」
 わたしはついにそこまでは考えなかった。こう言われて、いきなり顔をまっこうからなぐりつけられたように思った。
「でもぼくたちはぼくたちで自分の食べ物を買う金は取っている」と、わたしはどもりながら弁護《べんご》しようとした。
「それはそうだ。けれどぼくたちはどろぼうといっしょ
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