これはなんのわけだろう。あの人はわたしをやとい入れるつもりなのかしら。わたしはマチアともカピとも別《わか》れなければならないのかしら。いやだ。わたしはだれの家来にもなりたくない。まして初《はじ》めっからきらっているあんな人の所へなんか行くものか。
父親は帰って来て、「行きたければ外へ出てもいい」とわたしに言った。わたしは例《れい》のうまやの車の中へはいって行った。するとそこにマチアがいたので、どんなにびっくりしたろう。かれはそのとき指をくちびるに当てた。
「うまやのドアを開けたまえ」とかれは小声で言った。「ぼくはそっとあとから出て行くからね。ぼくがここにいたことを知られてはいけない」
わたしはけむに巻《ま》かれて、言われるとおりにした。
「きみはいま父さんの所へ来た人がだれだか、知ってるかい」とかれは往来《おうらい》へ出ると、目の色を変《か》えてたずねた。「あれがジェイムズ・ミリガン氏《し》だよ。きみの友だちのおじさんだよ」
わたしはしき石道のまん中に行って、ぽかんとかれの顔をながめた。かれはわたしのうでをつかまえてあとから引《ひ》っ張《ぱ》った。
「ぼくは一人ぼっちで出かける気
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