日かえってこれほどの失望《しつぼう》におちいろうとはだれが思ったろう。どうしたらわたしはほんとうのことがわかるだろう。そう考えて、いよいよ胸《むね》にせまってくるとき、わたしは歌を歌って、おどりをおどって、笑《わら》って、しかめっ面《つら》でもするほかはなかった。
 ある日曜日のことであった。父親はきょうは用があるからうちにいろとわたしに言いわたした。かれはマチアだけを一人外へ出した。ほかの者もみんな出て行った。祖父《そふ》だけが一人、二階に残《のこ》っていた。わたしは父親と一時間ばかりいたが、やがてドアをたたく音がして、いつもうちへ父親を訪《たず》ねて来る人とは、まるでちがった紳士《しんし》がはいって来た。かれは五十才ぐらいの年輩《ねんぱい》で、流行の粋《すい》を集めた身なりをしていた。犬のようなまっ白なとんがった歯をして、笑《わら》うときにはそれをかみしめようとでもするようにくちびるをあとへ引っこめた。かれはしじゅうわたしのほうをふり向いてみながら、イギリス語でわたしの父に話しかけた。
 それからしばらくして、かれはほとんどなまりのないフランス語で話し始めた。
「これがきみの話をし
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