やわらかなレースや、縫箔《ふいはく》を赤んぼうに着せることができたか」これがもう一つたびたびくり返される質問《しつもん》であった。するとわたしはこちらから逆《ぎゃく》に反問《はんもん》して、わずかにこれに答えることができた。あの人たちにとってわたしが子でないならば、なぜぼくを捜索《そうさく》したか。なぜバルブレンや、グレッス・アンド・ガリーに金をやったか。
 マチアはわたしの反問《はんもん》に返事ができなかったけれども、かれはけっして承服《しょうふく》しようとはしなかった。
「ぼくらは二人でフランスへ帰るのがいいと思う」とかれは勧《すす》めた。
「そんなことができるものか」
「きみは一家といっしょにいるのが義務《ぎむ》だと言うのかい。でもこれがきみの一家だろうか」
 こういうおし問答の結果《けっか》は、一つしかなかった。それはわたしをいままでよりもよけい不幸《ふこう》にしただけであった。疑《うたが》うということはどんなにおそろしいことであろう。でもいくら疑うまいと思ってもわたしは疑った。わたしが自分にはうちがないと思って、あれほど悲しがって泣《な》いていたじぶん、こうしてうちができた今
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