しかし席《せき》に着くまえに、かれは祖父《そふ》の竹のゆりいすを食卓《しょくたく》に向けた。それから自分の席《せき》をしめながら、かれは焼《や》き肉《にく》を切り始めた。背中《せなか》を火に向けて、みんなに一つずつ、大きな切れといもを分けた。
わたしはいい境遇《きょうぐう》の中に育ったわけではないが、兄弟たちの食卓《しょくたく》の行儀《ぎょうぎ》がひどく悪いことは目についた。かれらはたいてい指で肉をつかんで食べて、がつがつ食い欠《か》いたり、父母の気がつかないようにしゃぶったりした。祖父《そふ》にいたっては自分の前ばかりに気を取られて、自由の利《き》く片手《かたて》でしじゅうさらから口へがつがつ運んでいた。そのふるえる指先から肉を落とすと、兄弟たちはどっと笑《わら》った。
わたしたちは食事がすんでから、その晩《ばん》は炉《ろ》ばたに集まってくらすことと思っていた。けれども父親は友だちが来るからと言って、わたしたちにねどこに行くことを命じた。マチアとわたしに手まねをして、かれはろうそくを持って先に立ちながら、食事をした部屋《へや》の外にあるうまやへ連《つ》れて言った。そのうまやに
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