ガロフォリがこしをかけると、もう一人の子どもがたばこをつめたパイプを持って来た。すると第四の子どもがマッチに火をつけてさし出した。
「いおうくさいやい。がきめ」とかれはさけんで、マッチを炉《ろ》の中に投げこんだ。
この罪人《ざいにん》はあわてて過失《かしつ》をつぐなうために、もう一本のマッチをともして、しばらく燃《も》やしてから主人にそれをささげた。けれどもガロフォリはそれを受け取ろうとはしなかった。
「だめだ。とんちきめ」とかれは言って、あらっぽく子どもをつきのけた。それからかれはもう一人の子どものほうを向いて、おせじ笑《わら》いをしながら言った。
「リカルド、おまえはいい子だ。マッチをすっておくれ」
この「いい子」はあわてて言いつけどおりにした。
「さて」とガロフォリは具合よくいすに納《おさ》まって、パイプをふかしながら言った。
「おこぞうさんたち、これから仕事だ。マチア、帳面だ」
こう言われるまでもなく、子どもたちはガロフォリのまゆの動き方一つにも心を配っていた。そのうえにガロフォリがわざわざ口に出して用向きを言いつけてくれるのは、たいへんな好意《こうい》であった。
ガロ
前へ
次へ
全320ページ中312ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
楠山 正雄 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング