味《きょうみ》のあることではないでしょうか」
こういうふうに説《と》かれて、医者は行きかけていた戸口からもどって来た。
ジョリクールはたぶんこのめがねをかけた人が医者だということをさとったとみえて、またうでをつき出した。
「ほらね」と親方がさけんだ。「あのとおり刺絡《しらく》していただくつもりでいます」
これで医者の足が止まった。
「ひじょうにおもしろい。なかなかおもしろい実験《じっけん》だ」とかれはつぶやいた。
一とおり診察《しんさつ》して、医者はかわいそうなジョリクールが今度もやはり肺炎《はいえん》にかかっていることを告《つ》げた。医者はさるの手を取って、その血管《けっかん》に少しも苦しませずにランセット(針)をさしこんだ。ジョリクールはこれできっと治《なお》ると思った。刺絡《しらく》をすませて、医者はいろいろと薬剤《やくざい》にそえて注意をあたえた。わたしはもちろんとこの中にはいってはいなかった。親方の言いつけに従《したが》って、看護婦《かんごふ》を務《つと》めていた。
かわいそうなジョリクール。かれは自分を看護してくれるのでわたしを好《す》いていた。かれはわたしの顔を
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