雪はもう来なかった。そして空にばら色の光がさして、きょうの好天気《こうてんき》を予告《よこく》するようであった。
すっかり明るくなって、樹木《じゅもく》の形がはっきり見えるようになった。親方もわたしもがっかりして、棒《ぼう》をかかえて小屋を出た。
カピはもうゆうべのようにびくついてはいないようであった。目をしっかり親方にすえたまま、いつでも合図しだいでかけ出す仕度をしていた。
わたしたちが下を向いてジョリクールの足あとを探《さが》し回っていると、カピが首を上に上げてうれしそうにほえ始めた。かれはわたしたちに地べたではなく、上を見ろといって合図をしたのであった。
小屋のわきの大きなかしの木のまたで、わたしたちはなにか黒い小さなもののうごめく姿《すがた》を見つけた。
これがかわいそうなジョリクールであった。夜中に犬のほえる声におびえて、かれはわたしたちが出ているまに、小屋の屋根によじ上った。そしてそこから一本のかしの木のてっべんに登って、そこを安全な場所と思って、わたしたちの呼《よ》ぶ声にも答えず、じっとからだをかがめてすわっていたのであった。
かわいそうな弱い動物。かれはこご
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