である。
アーサはわたしが帰って行くという話を聞くと、急にさけびだした。
「帰っちゃいやだ、ルミ。行ってしまってはいやだ」
かれはすすり泣《な》きをしていた。
わたしはかれに、自分がヴィタリス親方のものになっていること、かれが金を出して両親からわたしを借《か》りていること、用のあるときいつでも帰って行かなければならないことを話した。
わたしは両親のことを話した。けれどもそれがほんとうの父親でも母親でもないことは話さなかった。わたしは自分が捨《す》て子《ご》であることをはじに思った――往来《おうらい》で拾われた子どもだということを白状《はくじょう》することをはじに思った。わたしは孤児院《こじいん》の子どもというものがどんなにあなどられるものであるか知っていた。世の中で捨《す》て子《ご》であるということほどいやなことがあろうとは、わたしには思えなかった。それをミリガン夫人《ふじん》やアーサに知られることを好《この》まなかった。それを知られたら、あの人たちはわたしをきらうようになるだろう。
「お母さま、ルミはどうしても止めておかなければだめですよ」とアーサは言い続《つづ》けた。
「わ
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