ととねむりこけた。
四、五時間たってわたしは目を覚ました。日かげでもう時刻のよほどたったことがわかったが、それは日かげを見て知るまでもなかった。わたしの胃ぶくろは一きれのパンを食べてからもう久《ひさ》しい時間のたつことをわめきたてていた。それに二ひきの犬とジョリクールの顔つきだけでも、かれらの飢《う》えきっていることはわかった。カピとドルスは情《なさ》けない目つきをして、じっとわたしを見つめた。ジョリクールはしかめっ面《つら》をしていた。
でもやはりゼルビノは帰ってはいなかった。
わたしはかれを呼《よ》びたてたり、口ぶえをふいたりしたけれどもむだであった。たぶんごちそうをせしめたので、すっかり腹《はら》がふくれて、どこかのやぶの中に転《ころ》がって、ゆっくり消化させているのであろう。
やっかいなことになってきた。わたしがここを立ち去れば、ゼルビノはわたしたちを見つけることができないから、そのまま行くえ知れずになってしまう。かといってここにこのままいては、少しでも食べ物を買うお金をもうける機会《きかい》がまるでなかった。
わたしたちの空腹《くうふく》はいよいよやりきれなくなって
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