《いっしょうけんめい》働《はたら》きますから、お屋敷《やしき》でお使《つか》いなさって下《くだ》さいまし。」
一寸法師《いっすんぼうし》はこういって、ぴょこんとおじぎをしました。宰相殿《さいしょうどの》は笑《わら》いながら、
「おもしろい小僧《こぞう》だ。よしよし使《つか》ってやろう。」
とおっしゃって、そのままお屋敷《やしき》に置《お》いておやりになりました。
三
一寸法師《いっすんぼうし》は宰相殿《さいしょうどの》のお屋敷《やしき》に使《つか》われるようになってから、体《からだ》こそ小《ちい》さくても、まめまめしくよく働《はたら》きました。大《たい》へん利口《りこう》で、気《き》が利《き》いているものですから、みんなから、
「一寸法師《いっすんぼうし》、一寸法師《いっすんぼうし》。」
といって、かわいがられました。
このお屋敷《やしき》に十三になるかわいらしいお姫《ひめ》さまがありました。一寸法師《いっすんぼうし》はこのお姫《ひめ》さまが大好《だいす》きでした。お姫《ひめ》さまも一寸法師《いっすんぼうし》が大《たい》そうお気《き》に入《い》りで、どこへお出か
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