一寸法師
楠山正雄
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)摂津国《せっつのくに》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)ある日|一寸法師《いっすんぼうし》は
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)しけ[#「しけ」に傍点]
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一
むかし、摂津国《せっつのくに》の難波《なにわ》という所《ところ》に、夫婦《ふうふ》の者《もの》が住《す》んでおりました。子供《こども》が一人《ひとり》も無《な》いものですから、住吉《すみよし》の明神《みょうじん》さまに、おまいりをしては、
「どうぞ子供《こども》を一人《ひとり》おさずけ下《くだ》さいまし。それは指《ゆび》ほどの小《ちい》さな子でもよろしゅうございますから。」
と一生懸命《いっしょうけんめい》にお願《ねが》い申《もう》しました。
すると間《ま》もなく、お上《かみ》さんは身持《みも》ちになりました。
「わたしどものお願《ねが》いがかなったのだ。」
と夫婦《ふうふ》はよろこんで、子供《こども》の生《う》まれる日を、今日《きょう》か明日《あす》かと待《ま》ちかまえて
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