たわっておりて、うちへかえりました。
ジャックのおかあさんは、むすこが、鬼か魔女にでもとられたのではないかと心配していますと、ぶじでひょっこりかえって来たので、とても大さわぎしてよろこびました。それからは、ジャックのもってかえった、金のたまごを生むにわとりのおかげで、おや子はお金もちにもなりましたし、しあわせにもなりました。
三
しばらくすると、ジャックはまた、もういちど空の上のお城に行ってみたくなりました。そこで、こんどは、すっかり先《せん》とちがったふうをして、ある日、豆の木のはしごを、またするするとのぼって行きました。鬼のお城に行って、門をたたくと、鬼のお上さんが出てきました。ジャックが、またかなしそうに、とめてもらいたいといって、たのみますと、お上さんは、まさかジャックとは気がつかないようでしたが、それでも手をふって、
「いけない、いけない。この前も、お前とおなじような貧乏たらしいこどもをとめて、主人のだいじなにわとりを、ちょっくらもって行かれた。それからはまい晩、そのことをいいだして、わたしが、しかられどおし、しかられているじゃないか。またもあんなひど
前へ
次へ
全19ページ中11ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
楠山 正雄 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング