じて居る。
 心ばかり富んだ人々が、わしを只の「不幸の人」として見て呉れ、わしに臥床をかすのを嫌わいで呉れると云う事は何よりも快い事じゃ。
 末長うござる方に、栄《さかえ》を残す事は又よろこばしい。
 これですべての事の方はついて仕舞う、とは云えこの徳も力もないわしが、やがての時、見事にすこやかに生い立つべき種を消ゆる事なく眼《まなこ》にはよう見えぬ土に蒔いたと申す事はわしを安らかに、御国へ行かせる――
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息がきれた様に言葉の末をただほそく残す。
人々は一種の恐怖と何か期待して居る様な気持で時々、手で話し合ったり合点したり祈ったりして居る。
又云いつづける。
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法王 わしを安らかに御神のそばに行かせて呉れる事なのじゃ。
 末長う、栄ゆる様にと、まだ若うておいでるお方を祝福致す。
 身にふさわしい贈物《おくりもの》も、おうけ致す。
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 わしの御返事なのじゃ――
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使者 たしかにお伝え申します。
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