上に種々の智恵をましたのを喜ぶ。カノサの十二月は、雪のつめたさに肌をさされながら働かねばならぬ貧しい民の苦労を始めて教え不公平な政をせぬ様に致して呉れ、又他人に「あやまる」と申す事の味も知ったのじゃ。
雪の中に立ちつくいた三日三小夜の時はわしに思いもかけぬ智恵をおくった。
わしは御事に、頭《つむり》を下げながらも願った「最後の勝利」を得た事を喜ぶ。新らしい考え深い試みに会うた事も喜ぶのじゃ。
「己を信ずる」と云うたしかな頼もしい信仰に、わしは、思い通りの仕事を産んだ。
お事のお云いやった神の奇蹟《きせき》の現わるるのを信じ得ぬわしは待ちこがれて居るのじゃ。
王のお言葉はこれだけでございます。
そしてこれをさしあげる様にとの事でございます。
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朽ちた様な鉄の十字架を置く。人民はよどみなくのべる使者の様子に気を奪われた様にさっきの罵などは忘れて見て居る。
やや長き沈黙の後。
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法王 わしは今、神のお召をあずかろうとして居る。この荒屋に逝く身とはなったけれど、わしは幸福を身にあまるばかり感
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