い衿をかきあわせる。
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王 わしはさっきからもういつもになく永い間考えたのじゃ、
一つ事をしみじみとのう。
わしのいつもの頭は今日よりは賢くてあった筈じゃが今日はどこの隅をせせっても、
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あやまれ
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と不吉な声で申すより考えが顔を出さぬのじゃ。
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あやまれ
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と申すのじゃ、法王に――
わしの生れて初めてきいた言葉、今までに一番わしをおびやかいた言葉なのじゃ。
頭奴は斯う申し居る、
只謀じゃほんの一っ時の――
したがわけもないのに只あやまる――何と云う意志のない事じゃ。
意志[#「志」に「(ママ)」の注記]の悪いまま母に育てられた可哀そうないじけた子のあやまれと云わるるがままに震える声で、
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母《はは》様、御免
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と云うと同じ
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