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王 わしが今そちの事に心を配るよりいく倍もいく倍も多くわしの事にそちは心配してお呉れやったもののう。
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老人は王の云うのには答えず。
[#ここで字下げ終わり]
[#ここから改行天付き、折り返して1字下げ]
老人 母御の懐のむちゃにこいしゅうてござった頃貴方様はこの子守唄がおすきでのう。
美しい絹の帳をたれた揺籃をまだ血気でござったわたくしの白うて力のある手でおだやかな波の上を行く小船の様にゆーらり、ゆーらりとふりながらのう、貴方様。
母親のたまものの人に賞められた声で夜の来る毎にうたったものでござりまする。
[#ここから4字下げ]
ごく冥想的な低いかすれながら美くしい声で目をつぶってうたい出す、少し調子の後れ加減になるほどゆるく。
[#ここで字下げ終わり]
[#ここから改行天付き、折り返して1字下げ]
寝ませ和子よ
水色絹の
帳の裡に
夢まどらかに
バラの香りと
小鳩の声の
夢の御国を
おとのうまで
ねませ和子よ
夢まどらかに……
[#「ねませ和子よの譜」の表題付きの楽譜入る(略)]
とのう。
したがあまり永く
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