、生産の成功によって、賃金がめだってあがったということがわかる。
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 年度   最低賃銀(一ルーブルは大体日本の一円)
一九二七年     八五ルーブル
一九二八年     九六 同
一九二九年    一一〇 同
一九三〇年    一二七 同
一九三一年(八月)一三一 同
同    (九月)一四〇 同
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 昨年には累進的出来高払い制がとり入れられた。次の収入表は現に職についている労働者からたしかめたものだ。
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絞盤旋盤工(最低一八〇)
承軸旋盤工(同…………)
 所得は一ヵ月三百ルーブルから百五ルーブル
仕上工(最低一六〇)
組立工(最低一八〇)
 所得一ヵ月三百五十ルーブル
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 その他鎖孔工、研工、製粉工、捲き手はおなじ割合で監督係、製図工、および監察員には少しばかりだが増俸がある。
 半熟練工の平均給料は一ヵ月百四十ルーブルである。労働時間は一日七時間だ。時間外労働には倍額を支払われる。作業服は無料であたえられるし、無料の社会保険にも加入出来る。この工場でも他と同様毎年給料つきの二週間の休暇
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