上、妊娠すれば、出産前後四ヵ月の給料つき休暇がとれ、支度金が月給の半分位貰える。産院は無料である。各区に幼稚園があり、工場附属の托児所では清潔な医者と※[#「女+保」、読みは「ほ」、493−14]母が子供等の世話をしてくれる。そして、ソヴェト同盟のあらゆる勤労者は年に一ヵ月ずつ休暇をとり、その期間は、景色のよい海岸や山の「休みの家」へ休養に出かける。産業別の各組合が、それらの「休みの家」を持っていて、賄つきで組合員を休ませるのであるが、どの「休みの家」も実に立派なものだ。昔はロシアの勤労大衆を「黒い連中」と呼んで搾っていた皇帝や大ブルジョア・大地主等が、贅沢三昧をつくして建てた離宮、別荘などが、今日ではソヴェト同盟の勤労大衆のためにだけ開放され、利用されている。
 ソヴェトへ派遣されたイギリスの労働者は、向うの機械工場の労働時間と賃銀を次のように報告している。(我々のとこでも、今ソヴェトへ労働者・農民が出かけて、ジカに向うの社会主義建設の進展の模様をみ、日ソ労働者大衆の結合をかたくすることが提議されて、実行に移されつつあるが、支配階級はそれを妨害し、弾圧している)

「つぎの表をみると
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