、赤色陸・海軍兵は、少なからぬ特権を与えられている。ソヴェト役人に選挙された場合、普通の市民は、例えば教育委員一役に任じられるだけであるが、赤色陸、海兵は更にもう一つの委員会に委員として兼任する権利をもっている。ブルジョア地主的天皇制[#「天皇制」に×傍点]の日本に於いて、兵士は極端な抑圧の下に置かれる。彼等は選挙権、被選挙権を剥奪され、日給十五銭、読書の自由、集会の自由までを奪われている。
ソヴェト同盟において選挙権、被選挙権を与えられぬものは左のような人々である。
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(イ) 利潤を収得する目的をもって他人を雇傭する者。
(ロ) 資本の利子、企業又は土地の所有等によって生ずる収入の如く、自己の労働によらざる収入によって生活する者。
(ハ) 個人商人・商業仲介人・仲買人。
(ニ) すべての宗派の僧侶及び説教師。
(ホ) 旧警察の官吏及び使用人・憲兵・密偵並に旧ロシア王朝の一族。
(ヘ) 法律上精神に異状ありと認められたる者、発狂者並びに後見に付せられたる者。
(ト) 破廉恥罪又は金銭上の犯罪のために法律又は裁判所の宣告により一定の期間ソヴェト
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