選挙・被選挙権を剥奪せられし者。
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我々は、ある英人ソ同盟訪問記に書かれた、ソヴェトの工場における選挙の模様を次に引用することで、ソヴェトの国家体制についての理解を一層具体的にすることが出来ると考える。
「私がそこを訪問した時、それは事実上の選挙の何日か前であったが、工場の壁には、モスクワ市ソヴェトと、それよりも重要性の少い区《ライオン》ソヴェトへの、選出を求める候補者たちの、二つの人名表が掲げられてあった。そこには又、選出せられたメンバーが、死亡又は他の任務のために、長期に亙って欠席する際に、その代りとなるべき『代理人』の名をつらねたもっと短い人名表もあった。工場は、その労働者六百名毎に、一人の代表委員を選出する権利をもっていた。この工場の割当は、実際には十四名であった。ところがこの表は、それに十五名の名が列記されているという点で、特に目立った。その先頭に、レーニンの名が出ているのだ。レーニンは在世当時、そのメンバーであったから、彼らは尚、彼の記憶に対し、この感動的な敬意を払っているのであった。」「レーニンの名前の次は、彼の後を継いで、全連邦人民委員会議の
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