大衆は一九一七年三月から十月に至るまで、深刻に政治的経験をつんだ。この時期は僅か八ヵ月だったが、大衆は大きな政治的教育を革命の息吹きの中で与えられた。この時期に労働者、農民は一層革命化して特に農民は社会革命党から離れて、土地と自由の真の味方、ボルシェビキの側に結合して来た。
 この期間は二つの党派が、労働者・農民の多数を自分の側に得るために闘ったのだ。即ち小ブルジョア民主主義と、ボルシェビキ的なプロレタリア民主主義の決戦の時期であった。そしてロシアの労働者・農民は、ボルシェビキこそ、勤労大衆の民主主義の前衛であることを知った。
 三月革命から、十一月革命を過ぎて一九一八年三月頃までの全露ソヴェト大会の代議員数に現われた次のような二つの勢力の消長は、ボルシェビキの勝利の方向を示している。
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第一回 一九一七年六月
 ボルシェビキ側    反ボルシェビキ
  一〇〇名        六八一名
第二回 一九一七年十一月
  三九〇名        二五九名
第三回 一九一八年一月
  四三四名        二六七名
第四回 一九一八年三月
  七三二名        
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