由、憲法議会の召集が主要要求であった。
 十月十三日には、ペテルスブルグで最初の労働者の「ソヴェト」が待たれた。(ソヴェトとは、代表者会議という意味である。勤労大衆の意見、利益を代表して主張し、その貫徹のために闘う代表者を大衆選挙によって決定する仕組である。)
 このソヴェトは、ペテルスブルグのみでなく、全ロシアの闘争――武装蜂起、革命の指導部となった。そして、これらの革命的昂揚におされて、ツァー[#「ツァー」に×傍点]の政府は十月十七日、「政治的自由」と「帝国議会の召集」を約束して、一応の譲歩を示した。だが、その約束が口約束だけだと言うことをプロレタリアートが指摘し、更に闘争をつづけた。農民運動はコーカサス、中央ロシア、ポーランド等に春の三倍もの地域において拡大した。十一月中旬、黒海艦隊の「オチャコフ」号は、新たに叛乱を起した。
 十一月には、労働者ソヴェトの数がふえた。
 十一月一日から七日まで、第二のゼネラル・ストライキが開始された。鉄道、印刷の労働者等は、労働者ソヴェトの同意の下にのみ動いた。軍隊はソヴェトに同情を寄せた。
 十二月八日から九日にかけて、ソヴェトの決議に基き、政
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