いめずらしい形に結って思いっきり何でもはっきりした娘がすき。
妻となった人ならばいかにも可愛らしい、殊[#「殊」に「(ママ)」の注記]別の丸みを心にもってやさしみのある、そばに居たらいつまでもはなれたくないような人、顔なんかどうでも声なんかどうでも只、夫にからかわれてもおとなしくやりかえし、手紙の代筆も出来、お料理が上手で朝夕の送り向[#「向」に「(ママ)」の注記]えを気持よくしていつもきげんよくして居る人がすき。私はおくさんの顔なんかのぞまないけれども只あんまりふとっちょさんはきらい。
おっかさんは学問があってはっきりもののわかる、子供の性質をよく知ってその子によって真面目に研究してくれる人。なるべく子供が見てああいやだなんかと思うような事をして呉れないように。
こんな事を母に云ったら私の母は、むずかしい事を云ってる人だネー、くだらないとたったそれっきりではねつけてしまった。私は始終いろいろな望や、疑や、いろいろな思いを持って居る。私はどうしても妙でない子になる事は出来ないかも知れない。大人になるまで、――否、死ぬまで、私は妙な子、そだてにくいお子さんと云われるのをきくたびによ
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