そのことのように聞き流しながら心のそこでは、
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「そんなに妙だ妙だって云わずといいじゃあないか。妙な子だと云ったところでなおるわけでもなし、私は死ぬまで妙な子でいいんだ、面倒くさい」
[#ここで字下げ終わり]
となげ出したようにいう。私はその心の云うことも聞こえないふりをしていまだになぜ生きてなくっちゃあならないんだ? と思いながら半分の頭ではよんだり書いたりしゃべったり、ねたりおきたり人なみにして半分の頭が人をして時々今だに妙なお子さんと云わして居る。私は死ぬまで妙なお子でいいんだ。
底本:「宮本百合子全集 第二十九巻」新日本出版社
1981(昭和56)年12月25日初版
1986(昭和61)年3月20日第5刷
初出:「宮本百合子全集 第二十九巻」新日本出版社
1981(昭和56)年12月25日初版
入力:柴田卓治
校正:土屋隆
2009年1月29日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの
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