の進歩的な労働者は、世界労働組合連盟に結集した。中国・朝鮮の婦女連盟、英国の主婦連盟、日本の民主婦人協議会などは、それぞれの地域の具体的な条件にたって平和と人民生活の擁護のために奮闘しはじめた。青年の国際組織もつくられた。こんにちすでに十数億の人民が平和と原子兵器禁止のために結集している。
 一九四六年から四七年の春頃までの第一期(ポツダム宣言の実行ということがもっとも正直にうけとられて、日本民主化の課題が政治・経済・文化の各面にわたって世界の良心によって監視されていた時期)日本の文学が新しい成長をもってやけ跡から芽ばえるために、民主主義文学運動の中心として「新日本文学会」が組織され、雑誌『新日本文学』が発刊されるようになった。同時に『人民短歌』のグループと民主的詩人の活動も開始された。世界の人民的な民主主義の本質にしたがって、日本の民主主義文学運動もその主力を労働者階級の文学におき、世界と日本のプロレタリア文学運動の成果を批判し継承しながら、多様でひろい人民層の民主的意欲を表現する新鮮な文学をもとうとする方向に発足した。
 一九四六年の一月、久しぶりで再発足したいくつかの商業雑誌がこ
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