の短篇小説がのせられた。其等の作品は試作的なものが多く、既に文学の新世界として出現していたネオ・ロマンティシズムの色調を多分に盛り、耽美的、官能的な感覚の流れが、女としての時代的な要求と絡みあったようなものが大部分を占めた。生田長江、馬場孤蝶、岩野泡鳴、阿部次郎、高村光太郎、中沢臨川、内田魯庵などという人々は、当時、酒をのみ、煙をふかし、吉原へ行くのが新しい女というような見かたをする世俗の偏見とたたかっていた青鞜社のグループに、好意ある支援を示した。
『青鞜』が第三巻を発行する大正二年頃になると、らいてうは「青鞜はムーヴメントをおこさむとするのではない、我々青鞜社員が目下の急務として努めるところは、真に新しい女として心霊上の自由を得た完全な一個の人格たらむとすることである」とやや弁明的な再宣言を行ったが、当時、一方では保守に傾いていた社会の常識と青鞜のグループとの摩擦は次第に激しくなって、青鞜社主催の文芸研究会の会場を借りるにさえ困難であるという状態になった。
らいてうの感想集『円窓より』は改訂して『※[#「戸だれ/(炯−火)」、第3水準1−84−68]《とざし》ある窓にて』として初
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