んで行ってから、自分の見て来たこと、されて来たことを一つ残らず、人間一人や二人はどうでも出来る者に云いつけるのじゃあるまいかと、思われて来た。
そして、親切にした者には好い報いが来るように、ひどくした者にもそれ相当な恐ろしい報いが降って来そうだ。また新さんは降らせる力を持っているらしい。
「天道様あ罰《ばち》いお下しなさんぞ」
とよく云い云いした言葉も、思いあたる。
皆は、こんなにも偉かった新さんに、自分達はあんまりよくつくしてやりはしなかったと思うと、堪らなくすまなく、こわくなった。
「新さん。よーく覚えててくんろよ、俺らおめえを憫然《ふびん》に思ってただが、俺ら貧乏だ、どねえにもすっこたあ出来なかっただかんな?」
動かない菰のもり上りに向って、てんでんの心は、おそるおそるささやいたのである。
十九
村中は全く混乱した。
聞くもいやらしい首縊り!
まして、あの悪い所といったら爪の垢ほどもない新さんが、そんな情ない死にようをしようとは……。
それにまた、善馬鹿まで死んだらしいというのだもの。
一体どうしたということなんだろう? こうなって見ると、こな
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