しろといくら慰めても、今度はきっと何か変事があったような気がしているからどうぞ死骸だけでも捜してくれと、婆は皆の前へ土下座をするようにしてたのんだ。
「あれの面倒よく見て置きでもしたら、俺ら案じねえ。けれど碌に飯も食わせねえでいただから、俺ら恐ろしい。きっと死んだら俺ら怨んべえ。どうぞ、どうぞ、こげえにねがうもん! 聞いてくんろーよ!」
皆は、やはりこの二三日前からの天気は只事ではなかったと思った。
「一夜のうちに、二人も人間がくたばるたあ、何事だべ」
「解くに解かんねえ前世からの因縁事あ、恐ろしいもんだ」
「まったくおっかねえもんだ。が、俺《おい》らの力じゃどうにもしようがねえだ、南無阿彌陀仏……」
「せめても極楽往生させてえもんだなあ」
集っていた者の半分は、婆を連れて、陰気にのろのろと、離れて行った。
風が吹くたんびに、菰の端がめくれて、濡れしょぼけた着物だの、足の先だのの見える死骸の番をして、墓場の中に取り残された者共は、ほんとうに真面目な心持で、よく寺の和尚《おしょう》が話す、前世の宿縁とか、極楽とか地獄とかいうことを考えると、何でも黙って堪えていた新さんは、こうして死
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