的要求と目的とによって、厳しくふるいわけられた。
ソヴェト同盟をのぞく世界じゅうのプロレタリア大衆は、めいめい本国、植民地の職場で、賃銀引下げ、労働強化に反対し、ストライキし、ダラ幹征伐を行わなければならないでいる。それだのに、その小説で職場の革命的反対派を描かないようなダラ幹派プロレタリア文学を、彼らはどうして自分たちのプロレタリア文学と認められるか。
「文戦」の最後的分裂を報告したのち、ブルジョア新聞は「この分裂の結果、左翼文学の指導権は完全に最左翼たるナップに移ってしまった訳だ」と書いている。
これは、だが、次のようにいい直されなければならない。一九二九年来プロレタリア解放運動における革命的プロレタリアートの役割、実力、指導権が、ひどい白色テロに抗して強化されつつある。その革命的大衆によって、「ナップ」は実践によって唯一の彼らの階級的芸術団体と認められたのだ、と。
これは、五ヵ年計画がはじまってから、ソヴェト同盟の文学運動が、どんな変りかたをしたか、それを見てもよくわかる。
一九二九年に五ヵ年計画が着手された。ソヴェト一億数千万の勤労者の日常生活は、その熱情、努力、困難、
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