ださま」の講釈をする。
口振りでは、彼の世に、地獄と極楽の有る事を信じて居るらしい。一体、村の風で非常に信心深い村もあるが此村はさほどでもなく、他人《ひと》の家へ来て仏様の話をするのは此の婆さん位なものである。後生願いの故《せい》か行儀は良い。働き者でもあるから祖母は好いて居る。
婆さんは家へ来ると井戸端ですっかり足を洗い、白髪を梳しつけてから敷居際にぴったりと座って、
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「ハイ、御隠居様、御寒うござりやす。御邪魔様でござりやす。
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と云う。
歩いて居ると体はまっ直《すぐ》になって居るが、座るとお腹《なか》を引っこめて妙に膝が長い形恰になって仕舞う。
婆さんはこの前の日まで中学の教師の家へ手伝に行って居たとか云って、
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「めんごい赤坊さまでござりますぞい。眼が大きゅうて、色が抜けるほど白くてない。先生様、そっくりでいなさりやす。奥様も順でいなさりやすから昨夜《よんべ》お暇いただいて来やしたのえ、父様《ととさま》も母様《かかさま》も、眼の中さあ入れたいほど様子で居なさる。赤坊《やや》のうちは乞食の子さえめんげえも
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