児だちゅうたら。
「かまいやしないよ、子供の事だもの。
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 女中もいつの間にか後に立って、
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「ほんに彼の児は気が強《つえ》え児だかんない。
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と云って居る。じきに女は帰って仕舞った。女中は湯を「金《かな》だらい」にあけながら、
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「頂戴物が減るのを気づかって来やしたのし。
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と笑って居た。
 女中は祖母にその事を見た様に話して居る。
 祖母に、たのまれた用事があるので、じき近処の牛乳屋へ行く。此村に只一軒の店で昔から住んで居るので実力のある家だ。
 四五年前に病気が流行《はや》った時に数多の牛を失ったので、今は元に戻すにせわしくして居る。兄弟で一家に居て同じ仕事を共同にして居る。兄はどっちかと云えば小柄な、四角張った顔の中に小さい眼と低い鼻と両端の下った様な口をして居る。髪を少し長目に刈ってクキンクキンとした眉の下からその小さい眼がすばしっこく働き、上眼で人を見る癖がある人だ。見かけは小細工の上手そうな男に見えるけれ共、内心はそうではないらしい。村会議員の選挙、その他重
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