。私の顔を見ると急に腰をまげて、
[#ここから1字下げ]
「お早うござりやす。昨日は、はあ家《うち》の餓鬼奴等が飛んでもないこといたしやったそうでなし、御わびに来ましただ。
[#ここで字下げ終わり]
と云う。漸くわけが分った。
[#ここから1字下げ]
「わざわざ来なくったっていいのに、どこの子供だって悪戯はするもの怒ってなんか居るものかね、お前子供を叱ったろう、ほんとうにかまいやしない、大丈夫だよ。
[#ここで字下げ終わり]
と云ってやると、女は気安そうに笑いをうかべながら、
[#ここから1字下げ]
「お前様、今朝ね、お繁婆さんが来やしてない町さ行くが買《けえ》物はねえかってききながら昨日の事云いやしたのえ。一寸も知りましねえでない。御無礼致しやした。己《お》ら家《げ》の餓鬼奴等も亦何っちゅうだっぺ、折角、ねんごろにきいてくれるにさあ石なげるたあ。此間《こねえ》だも――
[#ここで字下げ終わり]
と村校友達となぐり合を始めて相手に鼻血を出させたが、元はと云えばブランコの順番からで夜まで家へ帰されなかったと話して聞かせた。
[#ここから1字下げ]
「御免なして下さりませ、ほんに物の分らん
前へ
次へ
全109ページ中50ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング