のがいやで連れられて、私達まで何だか知らんが菊太は意くじのない男だと思う。斯んな様にして、家内の人数が多ければ多いほど、何だかいけすかない小作だ、と思う気持が大きくなって、男の気の早いのや息子でも居るとつい云わずとも良《い》い事まで云い、「ひやかし」の一つも云う様になってますます両方の間が不味《まず》くなるのであろう。
祖母は、「私はもうこの年になって、小作男を泣かせても気持の悪いばかりだから、盆、暮に金をやるのを一度にやったと思って居るのさ」と云って居るから両方で荒い声なんか出す事は決してなかった。けれ共、どうしても願い通りにしてやればつけ上る気味がある。
どうしたら小作がうまく上り、地主との気持が円く行くかと云う事は、よく考えるけれ共分らない。
一番、小作をさせないのが良いのだろうけれ共、資産のない、他人の田を働いて生活して居る者は、それを取りあげられたら、この上なくひどい目に会う事になるからこまるし、又地主にした処で小作をさせなければ、家に下男を置いて作らせなければならない。それも、借すほどの田を一人では仕限《しき》れないから小作をさせるより却って手間と費用がかかるわけにな
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