でテクテクと歩いて行く。
 中高な門内の道を出ると菊太はチョイと振り返って草の両側に生えて居る道を、ポコポコと小さいほこりの煙をたてて帰って行く。
 甚助の家の方へ曲る頃、祖母はありったけのくさくさを私に打ちあける。
 やさしく仕て居ればつけ上り、きびしくすればろくな事を仕ず、小作人なんかはしみじみ使いたくないものだと云う。菊太の女房はこの上なしのだらしなしやで、針もろくに持てず、甲斐性のない女だと女中まで、くさいものが前に有る様な顔を仕て話してきかせる。
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「菊太爺さんもずるい爺様ですない。
 いつもいつも、どうにかして無理を通して行く。御隠居様も今度は、どうしても許してやんなけりゃあ、いいですっぺ。
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 女中がこんな事を云っても、
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「ああほんとうにそうだよ。
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と云ったぎりその日一日祖母は、菊太の声と顔付とを眼先に浮べていやな思をするのである。
 夜、湯に入りに来た構《かまえ》内の家を貸りて居る小学の校長をつかまえてまで今日の菊太の事を話した。
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「どうもなかなかうま
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