ると云う春興行を見たがって居る。
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「貧亡[#「亡」に「(ママ)」の注記]してても芝居は見たいものと見える。あんまり芝居ばっかり見たがって居るからあんな苦しい暮しをするのだて。
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と祖母は、おともさんがもらった真綿の胴着を抱えて喜んで帰って行った後でしみじみと云って居た。年を取ってから貧しい生活をして居るものを祖母は一層同情するらしい。自分の身に引きくらべてでもあろう。
夕方近くなってから牛乳屋の人と、あの先《せん》に私に石を投げた甚助の家の男の子が母親と一緒に来た。
私はその児を見ると「オヤマア」と云った様な気になったし、その子も間が悪いと見えて母親の陰に顔を引っこめて仕舞う。紺の筒袖を着て、拇指の大抵出た足袋をはいて居た。母親は水をつけて梳いた櫛巻きにし、幾度か水をくぐった、それでも汚れてだけは居ない着物を哀れげに着て居る。低い声で入口に立ったままお喜びをのべ、
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「お目出度う、ござりやすと云うものだぞえ、これ。
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と、はにかんで居る男の子の頭を平手で押しつける。
ポクリと否応なしに頭
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