をさげると男の子はすぐ母親のそばをはなれて門のわきに行って仕舞った。祖母は、二三枚の着古しの着物と足袋と、子供に何か買ってやれと少し許りの金をやった。女は、私が気恥かしい思をするほど丁寧に礼をのべて、門柱の処からこっちを見て居る男の子をさしまねいて、
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「何か買えとお金を下すったかんない。お礼云うだ。
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男の子はまたポックリと首をまげて、クドクド何か云う母親の手を引っぱって帰って行った。門の処で振返ってこっちを見た、男の子の、悪図々しい様な、憎々しい目の色を、私はいつまでも覚えて居た。
歌留多をとるでなし、人の訪ねて来るでもない、寒い夜は、早くから炬燵に入って、いかにも雪国らしい、しずかな時を送る。
此処いらの正月は、盆よりはにぎやかでない。正月は、ひどい寒さでもあるし、蓄《たくわ》えの穀物があんまり豊かでない時なので、貧しい村人は盆をたのしみに、晴着をつくりたい処も、のばしておくのである。
元日に年始に来ないものは大抵二日になっても来ない。その来ない人達は、旧の正月を祝うのである。東京に居て他家へ行ったり来られたりしてすごす七草ま
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