が私を苦しめる。
七月十八日(土曜)
又先に病ったと同じ様な調子に私の体の工合が悪くなって来た。
熱が八度二分。
細井さんに行く。先ず熱が癖になって出るんだろうと云う事だった。薬をもらって帰る。
七月二十日(月曜)
今日で一学期もお終になる。
どんづまりの日まで出ていざとなって顔を見せない私を例の人は変に思うだろう。
皆がうの目たかの目で居る点も見ないで平気で居る私をさぞ暢気者とかなまけ者とも思うだろう。
私の点は例の人達がつけきれないだけ沢山もって居るんだ。
熱はまだかなりある。
七月二十二日(水曜)
今朝はきのう熱がなかったので六時頃床を出る。
二三日ほっぽり出して置いた間に部屋の本箱はすっかりごみだらけになって居るし何だか持主が居ないと斯うもなるのかと思われるほど汚なかった。
すっかり掃除をして久し振で二十枚ほど書く。
平気で居たら午後に大変熱が上って居た。
又床にもどる。
少々ぶり返しの気味だ。
八月八日(土曜)
今月の四日に漸《ようや》く平熱になった。
四十度五分の熱が二十八日に出て前後三四日ずつ四十度以上の熱が出て人事不省にな
前へ
次へ
全45ページ中38ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング