二月二十七日(金曜)
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〔摘要〕学校出席、音楽試験
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二月二十八日(土曜)晴 寒
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〔摘要〕同級会、小さくてかわいい花束をもらう 古橋氏
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竹島先生の話の中で、
生をあたえた神が又死をあたえると云うのは神の大なる矛盾だと思う、
慾望の変遷は尊いなくてはならないものだ。
なんかと云う事があった。
竹島先生は意味なく只死をおそれて居るらしい口振である。一言きけばいまわしい死の事もしずまったおだやかな気持で学問らしく考えれば面白い。そんなに悲歎する様なものではない事を私はしって居る。
三月一日(日曜)晴 暖
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〔摘要〕母上小金井
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珍らしい人達は母様の留守をねらっての様に沢山来た。そうして私のし様《よう》とした事はその人達によってぶちこわされてしまった。一日中いらいらしたそうしてかなしい気持でばっかりくらしてしまった。思い出と名づけていいものは私をひしひしとと
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