伸子の、どこか保に似て円い顔には、倦怠と憂鬱があらわれた。大体伸子は、遊戯に熱中できないたちだった。はじめのうちは気のりがしても、素子のように続かなかった。単純に遊ばず、お互のむしゃくしゃをぶつけあいながら争っているような竹村と素子との遊びかたは、よけいに伸子を疲らせた。
「もうやめだ、やめだ」
 勝てない竹村がそういって盤をたたんだとき、伸子は、
「それがいいわ」
 空虚にたえがたいという眼色になっていった。
「絵でも見た方がいい」
 すると、素子が、
「なんだい、えらそうに!」
 つよくマッチをすって、巻たばこに火をつけた。
「体裁屋!」
 竹村が帰って、卓の上をあと片づけしている伸子に視線をすえて、素子は、
「君は体裁屋だよ!」
 嘲りいどむようにいった。
「竹村なんかどう思ったっていいじゃないか」
「それはかまわないわ」
「じゃ、なぜあんなに、とりなそう、とりなそうとするんだ。私が不愉快がっているなら、勝手に不愉快がらしておいたらいいじゃないか」
「竹村さんが私たちの不愉快になるようなことをした? なにか」
「君に感じなくたって、わたしが不愉快を感じているんなら、それをたててく
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