た年恰好が似ているのと、背だけが似ていたのだった。眼鏡をかけた顔は、すこし蒼く、静かに見えた。伸子は、あわてた自分に苦笑した。
「失礼いたしました……ちょっと人ちがいして」
 縁側へ出て行った。
「どなたかしら……」
「いや、別に名前をいうほどの用で上ったもんでもないんですがね」
 白い浴衣の人は、高くしげった夏草の穂を野原にでも立っているようにぬいて、それを指の先でまわしながら、
「あなたの書かれるものを読んでいるもんだから……」
といった。
「…………」
 伸子はきくような眼でそのひとを眺めた。
「偶然通りがかって、表札を見たもんだから――」
 浴衣のひとの言葉づかいやものごしが、伸子に珍しい印象を与えた。伸子の書くものを読んで、と訪ねて来た人にしては、そのひとは大人すぎて見えた。さっぱりした感じとまじってほんのすこし横柄のようでもあった。年の多さという以上に、そのひとは伸子にたいして、出来上っている自分の世界の感じを示した。伸子は静かで、おとなしく、だが、どこかふみこんだところのある人物を、警戒よりもつよい好奇心で見まもった。
 庭へ立ったまま、そのひとは、縁側にいる伸子にきいた
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