あ、はっきりしないんでしょう。当分お父様だけはあっちから事務所へ通うらしいけれど……」
「つや子の学校は?」
「一緒に月曜に出て来るんでしょう」
からだのよわいつや子は、家から近いというばかりでカソリック系統の女学校附属の小学校に通わされていた。同じカソリックの尼学校でも、貴族出の尼さんの学院、中流の尼さん女学校、又いく分その下に当るらしいつや子の学校の尼さんたちは、女生徒にたいしても人間ぽい好ききらいを露骨に示すらしかった。つや子はおとなしくて可愛い娘というよりは、神経質でその癖おしきったところのある生れつきのために、同じ成績でもマ・メール(お母様)とよばれている尼校長から御褒美をもらったりすることの少い女の子の部類に属した。つや子は、その学校に通わされることをだんだんいやがるようになって来ているのであった。伸子は、日曜にでもゆくということにして電話をきった。
桜並木の道を戻って来ると、むこうから素子がぶらぶら来た。
「――出かけるの?」
「いやに手間がかかるから来てみたのさ……どうだって?」
多計代のからだ工合をきき合わせるというわけで、伸子は酒屋まで電話をかけに来ていたので
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