エ吉之助がモスク※[#濁点付き片仮名ワ、1−7−82]を立ってから、伸子は一層自分を、モスク※[#濁点付き片仮名ワ、1−7−82]生活にくっささったものとして感じた。素子も、吉之助がパッサージ・ホテルを去った次の週から、またモスク※[#濁点付き片仮名ワ、1−7−82]大学へ通いはじめた。素子の勉強ぶりには、何となく、とりとめもなく煙のあとを目で追いながらタバコをくゆらしていたひとが、急に果さなければならない義務があったのを思い出して、灰皿の上へタバコをもみ消しながら立ち上った趣きがあった。
素子の日常が、レーニングラードへ出かける前の初夏のころとあんまりちがわない平面の上で廻転しはじめた。一つ部屋に暮してそれを見ながら、伸子は平面で動けなくなっている自分というものを感じ、しかしくっささったぎりそれからさきの自分の動かしようはわからないでいる感じだった。
二人の外国女として伸子たちの求間広告がモスク※[#濁点付き片仮名ワ、1−7−82]夕刊の広告欄に出た二日後、伸子たちは一通の封書をうけとった。それはタイプライターでうたれた短い手紙だった。要求にふさわしい一室があいている。毎日午後二
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