{のぐるり、目抜きの大通りは、人馬の物音をやわらげる木煉瓦でしきつめられていたが、壺売りの婆さんがジプシー女のようにサラファンの裾をひろげて大小様々の壺をあきなっている運河の橋をわたって、もう一つの地区へ出ると、そこはもうモスク※[#濁点付き片仮名ワ、1−7−82]がそうであるように、すりへったごろた石じきの町々であった。すりへったごろた石の間には藁くずや紙くずや乾いた馬糞がある。北の夏は、歩いている伸子たちに汗をかかせるほどではないが、埃っぽくむっとした街路のいきれが、彼女たちの靴を白くした。
 白麻のブラウスに、学生っぽいジャンパア・スカートをつけて訪ねて行ったさきざきで、伸子たちは、モスク※[#濁点付き片仮名ワ、1−7−82]で知らなかった発見をしたのだった。モスク※[#濁点付き片仮名ワ、1−7−82]でも、伸子たちは随分いろんなところを見学した。とくに伸子は素子の倍ほども足で歩いて目で見て歩く仕事をしたのであったが、モスク※[#濁点付き片仮名ワ、1−7−82]ではどこへ行っても、そこに見出すのは、ソヴェト社会という大きな有機体の一部として不断に活動している一つのシステム、或はメ
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