ノ吊り下げて弾ませながら売っている。※[#「毛にょう+(鞠−革)」、第4水準2−78−13]のはずむのを見まもっているうちに、伸子は、ふっとあることを思いついた。
むきかわって、もと来た道を、二つ股のところまで戻り、左をとって大使館の陰気な海老茶色の門をくぐった。
事務室のある二階へのぼって、廊下の受信箱をのぞいた。伸子のかん[#「かん」に傍点]はあたった。細紐で一束にくくられた新聞雑誌が、サッサと書いた仕切り棚へ入っている。シベリア鉄道は、一週のうちきまった日にしか通っていないのだから、さきおとといのように多計代からの手紙だけが一通別に届くということはあり得なかった。
伸子は、何となしはずみのついた気持で、棚に入れられている郵便物をすっかりさらい出した。そして、一段一段とのろのろ二階を下りながら、紐の間をゆるめるようにして、どんな雑誌が来たのか、のぞいた。モスク※[#濁点付き片仮名ワ、1−7−82]へ来てからずっと送ってもらっている中央公論。婦人公論。その間に大型の外国郵便用ハガキが一枚まぎれこんだように挾まっているのをみつけた。保の字だ。
丁度壁が高くて薄暗くなった階段口を
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