カ学の夕べに出席していた。
「まあいいさ、ポリニャークのところへもいっぺん行ってみるさ」
そういう素子に向って内海は、
「じゃ、たのみます」
念を入れるように、力をいれて二度ほど手をふった。
「五時になったら下まで来て下さい。じゃ」
そして、こんどは、本当にいそいで出て行った。
「――急に云って来たって仕様がないじゃないか――丁度うちにいる日だったからいいようなものの……」
そう云うものの、素子は時間が来ると、案外面倒くさがらずよく似合う黄粉《きなこ》色のスーツに白絹のブラウスに着換えた。
「ぶこちゃん、なにきてゆくんだい」
「例のとおりよ――いけない?」
「結構さ」
鏡の前に立って、白い胸飾りのついた紺のワンピースの腕をあげ、ほそい真珠のネックレースを頸のうしろでとめている伸子を見ながら、素子は、ついこの間気に入って買った皮外套に揃いの帽子をかぶり、まだすっていたタバコを灰皿の上でもみ消した。
「さあ、出かけよう」
二階の秋山宇一のところへおりた。
「いまからだと、丁度いいでしょう」
小型のアストラハン帽を頭へのせながら秋山もすぐ立って、四人は狩人広場から、郊外へ向うバ
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