「たって、持つべきではないと思います」
伸子の感情の面に、モスク※[#濁点付き片仮名ワ、1−7−82]第一大学の光景がいきいきと浮んできた。冬日に雪の輝いている通りを大学に向って行くと、雪を頂いた円形大講堂の黄色い外壁が聳えている。その外壁の上のところを帯のようにかこんで、書かれている字はラテン語でもなければ、聖書の文句でもなかった。「すべての働くものに学問を」モスク※[#濁点付き片仮名ワ、1−7−82]第一大学の黄色い円形講堂の外壁にきょうかかれているのは、その文字だった。
「保さん、この簡単なことばのふくんでいる意味はどれほどの大さでしょう。この四つの言葉は、この国で人間と学問との関係が、はじめてあるべきようにおきかえられたという事実を示しています。人間も、学問をすべてのひとの幸福のために扱うところまで進歩して来たという事実を語っています。わたしは、きのうもそれを見て来たばかりなのよ。そして、この古いモスク※[#濁点付き片仮名ワ、1−7−82]大学の壁にその字がかかれたときのことを思って、美しさと歓喜との波にうたれるようでした。そしてね保さん。ソヴェトの青年は、この文字を頂いた[
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